犬が雷を怖がる理由と落ち着かせる方法

2023年11月29日

犬の性格や環境への適応能力によって、雷に対する反応が異なる考えられています

雷が鳴ると、多くの犬は恐怖感を抱きます。

犬が雷を怖がる理由については、さまざまな要因が関与しており、個々の犬に合わせたサポートや対処が求められることが示唆されています。雷を怖がる犬飼い主は、その理由を理解し、適切なサポートをすることが重要です。

この記事では、犬が雷を怖がる理由を深く探り、落ち着かせるための方法を紹介します。

犬が雷を怖がる理由

犬が雷を怖がる理由には、以下のような要因が考えられます。

音に対する敏感さ

犬は大きな音に敏感です。そのため、犬が慣れない大きな音や、普段の生活で聞くことがほとんどない雷などの音を聞くと、本能的に危険を感じて不安や恐怖心を抱きます。また、犬の聴覚は人間よりも敏感であるため、人間以上に雷の音や光を強く感じる場合があります。
また、雷の影響は、耳に響く音や目に見える光だけではなく、気圧などの変化や微細な震動、静電気など人間には感じられない雷による現象を犬はいち早く察知している可能性もあります。


犬の性格

犬の性格によって雷を怖がる度合いが異なることが考えられます。犬の性格は個体によって異なり、同じ環境下でも雷に対する反応には個体差が見られます。例えば、臆病な性格の犬は雷に対してより敏感に反応し、恐怖を感じる傾向があるかもしれません。一方で、大胆な性格の犬は雷に対して比較的鈍感かもしれません。

なかには生まれつき音に敏感な犬種や年齢、敏感になりやすい気質の犬がいます。また、生後3~13週の社会化期に様々な刺激に適応する学習が不足してしまう(社会化不足)と、刺激に対して過敏に反応し、恐怖や不安を感じやすくなることがあります。そして雷の音や光によって、犬の繊細な聴覚や視覚が刺激され、恐怖感が引き起こされます。

犬が雷を怖がる理由と落ち着かせるための方法

過去のトラウマ

犬が初めて雷に遭遇したときに受ける刺激はとても強烈で、その際の体験が心理的なトラウマとして残ってしまうことがあります。


飼い主の影響

飼い主が雷を怖がる姿を見れば、犬が不安になることが報告されています。飼い主の様子を見て学習したり、飼い主になだめてもらったり優しくしてもらった経験から、雷に対して恐怖や不安を感じるようになることがあります。


医学的な理由

病気による体調不良、痛み、加齢などに伴って不快感や不安が増加したり、感覚が過敏になったりするなどの理由が隠れていることもあります。

恐怖を感じている時に見せる行動

犬が雷に対してどのような反応を示すのかを理解することは、適切なサポート方法を見つけるために重要です。恐怖や不安には個体差があり、犬によってさまざまな行動をとります。以下は恐怖・不安行動の例です。


逃げようとする行動

暴れたり、ドアや網戸を壊そうとすることがあります。


吠える行動

犬は吠えることでストレスを発散しようとすることがあります。

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震える行動

不安や恐怖からくる身体的な反応として、震えることでストレスを和らげようとすることがあります。


隠れる行動

安心できる場所を求めるために、部屋の隅などに隠れることがあります。


これらの行動は、犬が雷や花火の音に対して感じる恐怖や不安から生じるものであり、個体差や環境への適応能力によって異なります。

犬が雷に怖がっている時に落ち着かせる方法

犬が雷を怖がる場合、飼い主はいくつかの方法を試して犬を安心させることができます。


何もしないこと

初期対応としてやるべきことは敢えて「何もしないこと」です。雷が鳴り出し、犬が恐怖・不安行動をし始めても、なだめたり、抱っこをしたり、声をかけることなく、平静を保ちます。飼い主が落ち着いてリラックスしている姿を見せることで、犬は雷が鳴っても危険がないことを理解します。


生活音で気をそらす

日常の生活音というのは、犬自身も日常的に慣れ親しんでいる音です。BGM、テレビ、ラジオなどいつも聞いている音で、犬の意識を雷など外部の騒音から気をそらしてあげましょう。

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リラックスさせる

犬にリラックスを促すためには、穏やかな音楽を流すことも有効です。これらの音楽は、雷の音に対する犬の感受性を軽減することができます。また、犬と一緒に遊ぶことも効果的です。例えば、犬のお気に入りのおもちゃやゲームをするとよいかもしれません。さらに、犬のリラックスを促すためのマッサージや軽い運動も有効です。


安全な場所をつくる

犬が身を隠す場所を提供することが重要です。犬が安心できる場所として、クレートやベッドなどの静かなエリアは、騒音や視覚的な不安を最小限に抑えるのに役立ちます。
クレートに慣れている犬は、クレート内でチューイングトイ(噛むおもちゃ)を使って時間をつぶすのが一番安心する場合があります。そして毛布に包まることは、雷の音を抑える場合もあります。その際はドアを開けたままにしておくと、犬は閉じ込められてる感じがしません。
クレートがない場合や、クレートに入るのが苦手な犬は、別の場所に安心できる場所を作ってみてください。愛犬のベッドは落ち着いて安心できる場所であることがほとんどなので、雷雨の間は安心できる場所となる可能性があります。
また、窓から光が入らないよう、ブラインドやカーテンを閉めて犬が外を見ないようにします。


次の雷に備える

犬が雷の音に鈍感になるよう犬にポジティブなしつけをするようにしてください。雷が鳴った際の行動を叱ったり罰を与えたりしなことが重要です。雷を怖がるのは恐怖の結果であって、飼い主に従わないからではありません。時間と労力はかかりますが、雷が鳴った場合に適切な対処を行うことで、雷と新しい心地よい経験を連想させることで、雷の中でも安心させることができます。

犬が雷を怖がる理由は、生物学的な要因や本能的な反応によるものです。雷の音や光が、犬の感受性の高い聴覚と視覚を刺激し、恐怖感を引き起こします。また、雷の音と天候の変化を関連付けることで、犬は自然災害に対する本能的な警戒心を持つようになります。

犬が雷を怖がる理由を理解し、適切なサポートを提供することは、犬の安心につながります。


この記事で紹介された方法を参考にしながら、犬が雷を怖がる際に飼い主が適切に対処し、愛犬が雷の恐怖から解放され、安心して過ごせるようにサポートしましょう。

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